こころの構造1

ユングは心の構造を「プシケー」と「ゼーレ」の二つに分けて定義しています。心(プシケー)は、意識と無意識を含めたあらゆる心的な現象を総称したもの。こころ(ゼーレ)は、輪郭を持ったある特定の機能コンプレックスを備えた人格。としています。ゼーレでいえば、日常的な生活の中で、外では天使なのに内では悪魔だ。というように人格が分かれていることを意味していて、どちらが本当の性格でどちらが真の人格なのか答えられないような場合のこころの状態を指しています。

日本ではよく外面がいい人とか、内弁慶な人などという表現をしたり、本音と建前を使い分けているはずが、どちらが本当の性格だかはっきりと認識出来ないような人などもゼーレとしての人格の特徴を表しているようです。しかし心はやっかいなもので、意識が完全にコントロールを失うほどな力が深層には潜んでいて、無意識の心的エネルギーが今かいまかと沸点を待っている可能性があると示唆しています。




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