こころの構造2

心の構造を円だと仮定した場合、プシケーは円全体を表します。ゼーレは円を構成する大切な要素である点を表します。点は円の中心にも存在するし、円周は点の集合で象られています。円周に1点が欠けてしまうならば、円は形成されず、ただの曲線となるのです。そしてより深層の無意識に近づけば、点はますます集合的な性格を帯び、ついには普遍的になってしまいます。

なぜなら円の点を構成するのは、鉛筆の芯の元素である炭素です。また、心の円を描く身体を構成する元素もまた炭素なのです。神秘主義者でもあるユングが、心であるプシケーの全体像を普遍的な世界と位置づけた理由はそのようなことからなのです。




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