個性化

ユングは、自らの夢や幻像の中の体験を通して、自身のこころは「個性化過程」を歩んでいるという表現をしました。 この個性化とは、価値判断や感情的な絡まりというような「自分の思考からの離脱」を意味しています。自分自身の本来のいのち、また客観性に到達するためには、感情の投射を棄て去ることが大切で、あるがままの思考の流れにまかせることによって客観的認識に到達できるのだとユングは考えています。

人が個性化過程を歩む時、誤りや失敗は必ず起こるのが常なのです。そして在るがままに肯定することが近道なのです。自己の統合への道程では失敗にも陥らず、危険にも遭遇しないとう保証はないので、確実に安全な道を歩くという選択をしたとき、人は死んでいるのと同じだとユングは述べています。




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