リビドー

ユングは、心的エネルギーをリビドーと呼んでいます。ユングが考えるリビドーは、心的な出来事の強さや、その心理的な価値を表したものです。それは、自らの決定力によって定まるもので、特定な心的作用として表現されるようです。心の性質や深さ、本能のエネルギーの源、すごい力に満ちた心的な要素を持つこのリビドーは、日常的に人のなかでは複雑で多様なものとして無意識の奥深くに抑圧されていることが多いようです。

しかし、何らかの外傷的要因が発生したことが引き金となって、リビドーが解放されたり、意識に浮上したりすることがあります。すごいエネルギーが人格に影響したとき、リビドーは仕事を成し遂げる動機や衝動となるのです。フロイトはこのリビドーを「性的衝動を発動させる力」と定義しました。二人はリビドーに対する概念の根本的相違を認識して訣別したとも言われています。




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