ユングで学ぶ心理学入門ユングに影響を与えたもの > ゲーテ「ファウスト」の影響

ゲーテ「ファウスト」の影響

ユングは、自身の中にNO1とNO2という二つの人格が存在していたことを明らかにしています。そしてゲーテにとってもまたファウストというNO2が存在していたと知り、ユングは慰めを受けたと自伝において述べています。ゲーテは「ファウスト」という作品を大いなる業、自分の本業と呼んでいます。

ゲーテの中で生きて活動していたものは、超個人的な過程を現す元型世界でした。そしてユングもまた人格の奥深くに分け入り、秘密の扉を開くという一つの目標で充たされ、無意識の個性化過程を本業とし、大いなる業を展開させたのでした。ユングはゲーテの作品「ファウスト」を「私にとってファウストは私の大切なヨハネの福音書以上のことを意味したもので、私の感情に直接働きかけてくる何かがあったのである」と語っています。




ユングで学ぶ心理学入門に戻る