フィレモン

ユングは想像を絶するほどに多くの幻想とイメージと夢を見ています。そして無意識の対決で現れたひとつの像と生涯をともに過ごしたそうです。聖書に登場するエリヤはユングの前に賢く年老いた予言者として現れました。そしてエリヤから発展した像がフィレモンです。ユングによればフィレモンは異教徒で、エジプトのヘレニズム的な雰囲気を持っていたようです。フィレモンはユングに属さない一つの力として空想に登場し、またユングと会話をしていたようです。

心理的に表すと、フィレモンは導師であり、霊的グルーであり、神秘的な像であり、高い洞察を表すものでした。またフィレモンは翼のある霊であるのに片足が不自由でした。ユングにとってフィレモンは「アニムス」と呼ばれる元型に属する存在でした。フィレモンはユングの心的側面であると同時に、フィレモン自身の生命の側面がユングであるという認識を持っていたようです。




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