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グノーシスの思想体系

ユングのグノーシスに対する考えはこうでした。無意識の心理学に大いに貢献した錬金術のもともとの本質は、ギリシャ哲学やエジプト神話、キリスト教神学やユダヤのカバラ秘儀などの助けを借りて、自然哲学的なものと神秘思想的なものを合わせた世界観を生み出しているグノーシスの思想体系に端を発しているというものです。キリスト教の幕開け当事のグノーシス派の人たちは、認識の源泉として「心」は存在すると考えました。錬金術師たちも同じでした。

さらにグノーシス教徒と呼ばれる人々は、魂の救済における超越的な心的イメージを伝承していることから、紛れもなく彼らは心理学者であるとして、ユングはグノーシス研究を掘り下げたのです。グノーシスに関する古文書文献が19世紀に入ってエジプト近郊で発掘された後も、次々と古文書は発見されました。無意識の心理学の発展と原始キリスト教の真相解明に大いに貢献されることは確かなようです。




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