無意識との対決

ユング自身の夢・幻想・空想を通して、ユングは自らの無意識と対決することを実験としました。ユングは自分が精神科医として患者に助言するためには、避けて通れない道であると考えたのです。 それは意識(自我人格)と影との対決であり、イメージの自己解決であり、精神と魂との結合に当たるものでした。

影に潜む人格との戦いでは、同一視することや英雄的な理想主義を持つことは危険なことです。無意識の実験で決着をつけたとき、ユングは新しい力が自身の中に解き放たれたと述べています。人格に統合されたあとに人は精神的統一段階に入り、無意識の補償的プロセスによって仲介され、最終的には人格は総合的に統一されるのです。暗い深みの中に飛び降りて恐怖と向き合うことは誰しもが避けたいと願うことです。自分の暗黒から脱出するためには、内的な経験は避けて通れない真実の道なのかもしれません。




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