錬金術との関連性

ユングは、錬金術が心理学に意味深い歴史的な基盤を与えるとともに、無意識という心の深層を探求する心理学もまた錬金術の秘密を解く鍵を提供したと述べています。錬金術師は自らの術の本質を、一方では分離と溶解に、他方では結合と凝固に見ながら、対立するもの同士を対決させたり一致させたりして作業を終局に到達させることを目的としています。 

現象的にはめったに手にすることの出来ない宝を、黄金という物質の形で手に入れようとしたのです。 ユングはその錬金術プロセスを人間の魂の成長や変容に対応させたのです。精神の葛藤や神経症を引き起こすものを対決させることで人格を統一させるような心理療法を確立させていく上でも錬金術の作業手順は大きく参考になったようです。




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