東洋の影響

ユングは易経や東洋哲学に関心を持っていました。キリスト教宣教師として中国へ渡ったリヒアルト・ヴィルヘルムという人物にユングは出会い、易経や中国哲学、宗教について多くを語り合ったそうです。中国の思想や哲学的伝統の中に、ユングは無意識と共通する概念や事柄を見いだしたのです。

キリスト教を伝道しながらも中国文化に深く影響され、中国の知的財産と中国思想の倫理と明確さを持って西洋に伝えようとしたヴィルヘルムは、東西の行き来を何かに駆り立てられていたようです。ヴィルヘルムは、東洋と西洋の間、意識と無意識の間を行き来することで次第にバランスを失ってゆき、心に葛藤を抱えるようになりました。無意識的な葛藤は身体の健康状態にまで影響したとユングは語っています。「黄金の華の秘密」は易経に通じる瞑想の指導書となっています。




ユングで学ぶ心理学入門に戻る