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無意識の心理学
ユングはその著書〔結合の神秘1〕において、心の構造について次のように述べています。
無意識の心的な事象を取り扱う心理学は、まだ誕生して日が浅いとはいえ、心理学が突き止めたある種の事実がある。その事実の一つが「心の対立構造」で、心はこれを自然のあらゆる事象と共有している。
また、意識はふつう自分自身の背後に存在する諸々の対立を、自分のエネルギーがまさにその対立から得ているにも関わらず認めたがらないのだ。と述べています。
無意識とは
深層にある無意識の心理で、苦痛をもたらす考えや感情、意図的な抑圧など個人の人格に不可欠の要素を含んでいる内容の総体をユングは「個人的無意識」と名づけました。さらにより深い層に進んでいくと、そこには個人的なもの以前に「在る」ものが存在します。
集合的(普遍的)無意識の特徴
ユングは普遍的無意識と自己(セルフ)が統合された時のことを語っています。「自己を体験するというのは、あなた自身のアイデンティティを常に意識していることだ」と。自分の世界を確立し、個性化過程による自己統一を得るということは、世界から遊離することでも人の影響を受けないということではありません。
無意識との対決
ユング自身の夢・幻想・空想を通して、ユングは自らの無意識と対決することを実験としました。ユングは自分が精神科医として患者に助言するためには、避けて通れない道であると考えたのです。 それは意識(自我人格)と影との対決であり、イメージの自己解決であり、精神と魂との結合に当たるものでした。
こころの構造1
ユングは心の構造を「プシケー」と「ゼーレ」の二つに分けて定義しています。心(プシケー)は、意識と無意識を含めたあらゆる心的な現象を総称したもの。こころ(ゼーレ)は、輪郭を持ったある特定の機能コンプレックスを備えた人格。としています。ゼーレでいえば、日常的な生活の中で、外では天使なのに内では悪魔だ。というように人格が分かれていることを意味していて、どちらが本当の性格でどちらが真の人格なのか答えられないような場合のこころの状態を指しています。
こころの構造2
心の構造を円だと仮定した場合、プシケーは円全体を表します。ゼーレは円を構成する大切な要素である点を表します。点は円の中心にも存在するし、円周は点の集合で象られています。円周に1点が欠けてしまうならば、円は形成されず、ただの曲線となるのです。そしてより深層の無意識に近づけば、点はますます集合的な性格を帯び、ついには普遍的になってしまいます。