ユングで学ぶ心理学入門

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■ 最終更新日 2006.11.30 ■

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グノーシスの思想体系

ユングのグノーシスに対する考えはこうでした。無意識の心理学に大いに貢献した錬金術のもともとの本質は、ギリシャ哲学やエジプト神話、キリスト教神学やユダヤのカバラ秘儀などの助けを借りて、自然哲学的なものと神秘思想的なものを合わせた世界観を生み出しているグノーシスの思想体系に端を発しているというものです。キリスト教の幕開け当事のグノーシス派の人たちは、認識の源泉として「心」は存在すると考えました。錬金術師たちも同じでした。

類型からくる子どもの素質

ユングは子どもの素質は、環境によって生じる生存競争(たとえば兄弟喧嘩)などが要因になるとは考えられないとしています。同じ母親から生まれた二人の子どもが、母親の態度に少しも変化がないのに全く正反対の類型を示すことがあるということをみれば、決定的な要因は子ども自身が持っているというのです。

家族的布置

ユングの精神分析についての研究と実験から考察したものに、家族的布置があります。人間は必ず誕生するとき両親がいます。生まれて後、友情や愛情を得ようとする最初の試みは、両親や兄弟の関係によって最も強く布置されるのです。それは家族的布置の影響がいかに子どもに対して強いものかを証明することとなるものでした。

心理学的にみた人間のタイプ

ユングは、人間のタイプに関する考えを、外向型と内向型の二つに分類されるとしています。自分という存在を「主体」とし、自分のほかにあるものや人を「客体」とした場合に、二つのタイプが存在するのです。客体が自分よりも優越しているとする反応に防御的で、自分の心的なエネルギーがいつも自分の内側に向かっていて、外的な関心より内的な価値や関心が重要だとする態度を「内向型タイプ」だとします。

曼荼羅

曼荼羅はサンスクリット語では「円」を意味します。この幾何学模様から成るチベット密教の曼荼羅図に、ユングは心理学的な意味を見いだしました。ふだん意識されない自己は、何かの要因で突如心理的危機に襲われたようなときに動き出し、曼荼羅模様のようなイメージとして意識に浮上してくることがあることを発見しました。

東洋の影響

ユングは易経や東洋哲学に関心を持っていました。キリスト教宣教師として中国へ渡ったリヒアルト・ヴィルヘルムという人物にユングは出会い、易経や中国哲学、宗教について多くを語り合ったそうです。中国の思想や哲学的伝統の中に、ユングは無意識と共通する概念や事柄を見いだしたのです。

フィレモン

ユングは想像を絶するほどに多くの幻想とイメージと夢を見ています。そして無意識の対決で現れたひとつの像と生涯をともに過ごしたそうです。聖書に登場するエリヤはユングの前に賢く年老いた予言者として現れました。そしてエリヤから発展した像がフィレモンです。ユングによればフィレモンは異教徒で、エジプトのヘレニズム的な雰囲気を持っていたようです。フィレモンはユングに属さない一つの力として空想に登場し、またユングと会話をしていたようです。

グレート・マザー(地母神)

「母」の元型像です。グレートマザーは、個々人の幼少期の経験に端を発するだけでなく、成長と多産を慈しみ奨励する一方で、権勢をふるったり、むさぼりやそそのかし、支配するもの全てを象徴する元型でもあります。またエネルギーは神聖、優美、純潔のみならず、大地や農耕、豊穣をもたらすものとしても象徴されています。

アニマ・アニムス

女性的な要素を意味する元型をアニマといい、魂、生命、ムード、感応、風など男性の集合的無意識の中に存在するものとされています。またこのアニマは、母、恋人、妻など身近な女性に投影されることが多いようで、この元型に無意識を占拠させてしまうと、男性は過度に感傷的になって情緒不安定に陥ってしまう危険性があるとも言われます。

神的な子ども

純真な幼児、神聖な子の元型です。夢の中においても赤ちゃんや幼児として登場し、純粋で傷つきやすく、汚れを知らない変容の力を持って現れます。また、真の自己、完全性のシンボルとして永遠の神聖さを象徴するものでもあるようです。